ドラゴンクエスト ユア・ストーリー 感想【ネタバレあり】
一時期話題になったドラゴンクエストⅤの映画を見てきました。
ドラゴンクエストを見る予定はなかったんですが、ほかの映画を予約なしで見に行ったら席が完売しており、同じ時間帯で空いていたのがドラクエだったので見たという行きあたりばったり具合です。
そんな状態なので事前情報はあまりない状態での映画視聴になります。
映画を見る前の私の知識は
・覚えているのはパパスがゲマにやられる場面までと、ビアンカ・フローラ・ゲレゲレの存在
・何故か映画の評判はよくない
・山田孝之がパパスの声優
そんな状態で見てきた感想をまとめます
これより先は映画のネタバレになりますので、ネタバレを見たくない方は引き返してください
何で評判が悪いのか一発でわかる最後
今回の映画はたまたま見た映画なので、私の見るスタンスは「何で評判悪いのかなー」でした。
序盤は全然問題なし、むしろ満足。ゲームと同じBGMが映画館で大音量で流れると懐かしさを感じられました。
俳優女優が声優として起用されていますが私は違和感なく映画を見ることができました。(最後まで主人公リュカが佐藤健とわからずエンドロールで判明)
あとはCGがスゴイ、技術はここまで進んだのかと映画を見ながら思いました。
最近のFFとかと同じぐらい動きがなめらかでしたね。CG技術すごい、映像美を見たいならこの映画はおススメできます
特に魔法を使う戦闘シーンでは、2Dゲームではわからなかった威力などが3Dで再現されて「こんな派手な技だったのか」とか思ってみてました。
技術力や演技力、音楽に私は満足の結果だったんですが、私の総合的映画感想は他の方と同じで悪いです。ドラクエⅤに思い入れが強い人は見ないでくださいと強く言いたい。
主人公の性格
ゲームの中のドラクエV主人公は喋りません。プレイヤーが選択肢をえらぶだけです。なのでプレイヤーの数だけ主人公の性格はあると思うんですが、自分が想像していた人物像とはかけ離れていました。
私が想像していた人物像は「無口だけどやる時はやる、家族想いな主人公」。
映画の主人公は「お調子者だけどやる時はやる、家族想いな主人公」
無口≠お調子者。この二つは相反する性格だと思うんですよね、元々のゲームの主人公の性格よりは山田孝之主演の勇者ヨシヒコの主人公に似ている気がします。
まぁ、無口だと映画という限られた時間の中で、場面を効率よく回すのが難しかったのかなとも思いますが、不満その1です。
フローラが不憫すぎる
ちなみに私はビアンカ派ですが、それを踏まえてもフローラが不憫すぎて見ていてつらかったです。
映画の起承転結のうち、承がビアンカとフローラの場面でした。
この二人の登場シーンは他のイベントと比べると大分多いです。(映画の枠に収めるためにほとんどのイベントは端折られていますからね)
そんな中、フローラの父親が近隣の魔物を倒した者に娘(フローラ)をやるという場面がきます。
そこへ主人公のリュカとビアンカが魔物を倒し、リュカがフローラへプロポーズしてOKをもらいます。(ちなみにこの時点でフローラもビアンカも主人公が好きです)
フローラは主人公のプロポーズを受け、ビアンカは身を引きます。
ここまで見た私の感想は、あの気の強いビアンカが主人公に想い告げずに身を引いた瞬間の表情がしんどくて、辛かったです。映画はフローラで話が進むのか、実はゲームでフローラ選んだことないからどんな子供が生まれるのか知らないなぁとか思いながら見ていたら、フローラが不憫すぎて見てらんない展開になってきました。
プロポーズ後、主人公とビアンカは町の宿に泊まります。
そこで魔法使いの老婆に主人公は真実の愛を気づかせる薬を渡してきます。
最初は受け取りを断る主人公でしたが結局受け取り飲みます。飲んだあと、夢の中で本当はフローラではなくビアンカが好きだったことに気づく主人公。
そして夢から覚めたあとフローラの父親にプロポーズの取り消し、その足でビアンカにプロポーズの流れ。
ちなみに真実の愛を気づかせてくれた老婆の正体は変身したフローラ。主人公とビアンカの表情からお互いの気持ちを汲んだんでしょうね。
いや、フローラ視点からみるとかなりシンドイ。主人公が優柔不断過ぎて怒りがわいてきます。プロポーズしておきながら翌日取り消しって責任感がなさすぎる。
年齢を鑑みてもこれはナシ。
ここでも私が思い描いていたドラクエⅤの主人公とは違う性格が浮き彫りになる。
せめてストーリー展開が、魔物を倒す→フローラの父親に娘を託す話をされる→主人公が断る→断る理由がビアンカ→ビアンカにプロポーズ。であればフローラ派には怒られるかもしれないが、ビアンカ派にはここまでバッシングされなかったのではないかなぁ。
最後のメタ展開
その場面になった瞬間思い出したのが、唐突ですがファイナルファンタジーⅨのラスボス戦。
ラスボスと思っていたヤツ(クジャ)が前座で、最終局面で誰だこいつみたいなキャラクター(クリスタル)がラスボスとして主人公の前に立つ展開。
それぐらいの唐突感がデジャブ
この映画を見る人、特に成人済みの人は「ドラゴンクエストⅤ」の世界を映画にした作品を見に来てる人が多いと思う。それにスーパーファミコン版をプレイした年代ほど「ドラゴンクエストⅤ」への思い入れは強いと思います。
そんな視聴者たちが見守る中、映画は最後想像していない結末になります。
今まで私たちが見ていた映像はすべて「VRゲームの世界」だそうで。
映画の中でのラスボスは「ゲームの世界」に入り込んだウイルス(ミルドラース)。
主人公はゲーセンでVRゲームをプレイする若者です。
この瞬間、視聴者が求めているもと、制作者が見せたいものが大きくズレた。
上で書いたようにあまりにも突然だったので私はFF9の最終局面を思い出したり、「評判悪かった理由はこれか~」と冷めた目で見始めた。
ウイルスには「ゲームなんてやらず大人になれ」とか言われるし、壮大なストーリーでしたがラスボスはあっさり倒すしで、最後にガタガタガタと評価が落ちた作品でした。
まとめ
良かった点は映像美、音楽、キャストの演技。映像と音楽だけでも映画館で見る価値ありと言えます。
悪かった点は一言で言うとコンセプト。製作者が見せたいものと、視聴者が見たいものが違った悲劇。
ドラゴンクエストⅤが好きな人ほどおススメできない映画でした。
逆にドラゴンクエストを全く知らない状態で見るなら、最後の展開もそれほど拒絶せずに受け入れられたかもしれませんね。
映画見たらドラクエⅤを久しぶりにプレイしたくなってきました。映画が端折りすぎていて、ドラクエⅤがどんなストーリーだったか気になります。
といっても時間がないのが社会人の辛いところ